「安定しているのはどんな仕事?」——子どもの進路を考えるとき、多くの家庭で交わされる会話です。その"正解"が、AIの登場でいま大きく揺れています。
AIの台頭で、就活の潮目が変わりつつある
7月1日、高校生の就職活動が事実上スタートした。大阪市内では80社以上が参加する大規模な就活イベントが開かれ、建設業や製造業などの現場仕事=いわゆる"ブルーカラー"のブースに、若者たちが集まった。背景にあるのはAIの台頭で、「AIに取って代わられない仕事」として現場の仕事が改めて注目を集めているという。2026年3月に卒業した高校生の求人倍率は過去最高の4.12倍。ブルーカラー職は年収の伸び率も高く、幅広い世代に人気となっている。神戸大学の大内伸哉教授は「今のAI革命も産業革命に匹敵するものだ」と指摘し、情報処理を担う知的な仕事がAIに置き換わる可能性に言及している。
出典:関西テレビ(カンテレ)「『ずっとなくならない仕事』の"ブルーカラー"就活市場で活気づく 『産業革命に匹敵する』AIの台頭で働き方に変化 年収額の伸び率も高く幅広い世代に人気」(2026年7月7日)
かつては「事務職=安定」というイメージが根強くありました。しかし生成AIが文章作成や情報処理を高い精度でこなすようになり、その前提が問い直されています。逆に、手や体を動かす現場の仕事は「AIには置き換えにくい」と見直され、待遇の改善もあって人気が高まっている——というのが今回のニュースの骨子です。
数字で見る「就職市場の変化」
求人倍率4.12倍は、「1人の求職者に対して4件以上の求人がある」状態。特に高卒採用は売り手市場が続いており、現場職の待遇改善が進む一因にもなっています。
「AIに強い/弱い」で決めつけないために
ただし、注意したいこともあります。「ホワイトカラーは危ない」「ブルーカラーは安泰」と単純に二分するのは、少し乱暴です。
実際には、どんな職種でもAIを"道具"として使いこなせる人の価値は上がりますし、現場の仕事も機械化・自動化が進む部分はあります。大切なのは「AIに奪われない仕事は何か」を探すことよりも、**「どんな仕事でも、AIと一緒に働ける力を身につける」**という視点ではないでしょうか。
進路選びで本当に見ておきたいのは、次のようなポイントです。
- その仕事の「何が好きか・向いていそうか」(適性・興味)
- 給与だけでなく、働き方・休み方・体への負担(長く続けられるか)
- 学び直しやキャリアチェンジの余地があるか(変化に対応できるか)
年収の伸び率や求人倍率はあくまで参考情報。数字のトレンドに流されず、子ども自身の「やってみたい」を軸に据えることが、後悔の少ない選択につながります。
いえのーとで「家族の進路会議」を進める
進路の話は、一度きりの深刻な面談にするより、日常のなかで少しずつ重ねていくほうが本音が出やすいものです。いえのーとを使って、家族で情報を共有していきましょう。
メモに「気になる仕事・調べたこと」をためる
テレビやニュースで話題になった仕事、職場見学やオープンキャンパスで感じたことを、気軽にメモに残していきましょう。「AIで変わりそうな仕事」「なくならないと言われる仕事」など、家族それぞれの意見を書き込んでおくと、あとで話し合う材料になります。
カレンダーで進路イベントの予定を共有する
高卒就活は例年7月1日に求人票が公開され、9月から採用選考が始まるなど、スケジュールが決まっています。就活イベント・学校説明会・面接の日程をカレンダーで共有しておけば、家族で見守り、必要なサポートを分担できます。
TODOで「調べる・体験する」の一歩を分担する
「気になる業界の職場体験に申し込む」「先輩に話を聞く」「学費や資格を調べる」など、進路選びの一歩をTODOにして家族で分担しましょう。本人任せにせず、かといって親が決めつけず、「一緒に調べる」姿勢が子どもの安心につながります。
トレンドは"入り口"、決めるのは家族の対話
「AIに取って代わられない仕事」というキーワードは、進路を考えるうえで確かに気になる視点です。ただ、それはあくまで入り口。最後に子どもの人生を選ぶのは、子ども自身と、それを支える家族です。
いえのーとのメモ・カレンダー・TODOで、ニュースをきっかけにした家族の対話を積み重ねていきましょう。時代の変化を「不安」ではなく「一緒に考えるテーマ」に変えていくことが、これからの進路選びには大切です。
