生活保護受給者の半数以上が単身高齢者であり、年金だけでは生活を維持できない現実がデータに表れている。月18万円の年金でも社会保険料や税金の天引きで手取りは13万円前後になることがあり、月3万円〜5万円の赤字が生じるケースも少なくないという。
出典:LIMO「【生活保護】受給額は「毎月いくら」なの?半数以上が「単身高齢者」というシニアの実態と、「月3万円の赤字」の老後家計」(2026年7月6日)
「年金だけでは足りない」という現実が、データにはっきり表れています。
衝撃の数字:生活保護受給者の半数以上が高齢単身世帯
日本年金機構が6月17日に更新した「令和8年度税制改正による公的年金等に係る主な改正事項」では、個人住民税が非課税となる限度額が示されています。単身・65歳以上の場合、その限度額は155万円(1級地)などとされており、現在、約1.98百万人が生活保護を受給しているなかで、実に半数を超える51.7%が単身高齢者です。
この数字が意味すること:
- 生活保護受給者の約1百万人が65歳以上の単身世帯
- 配偶者を失ったシニア、または独身で過ごしたシニアが年金だけでは生活できない現実
- 「人生100年時代」で、年金額の抑制が続く中での深刻な状況
「月3万円の赤字」を生み出す仕組み
シニア世帯の経済状況は厳しさを増しています。
基本的な年金額(2024年度):
| 年金の種類 | 平均受給額 |
|---|---|
| 基礎年金のみ | 月約6万5,000円 |
| 厚生年金を含めた男性平均 | 月約17万6,793円 |
| 厚生年金を含めた女性平均 | 月約10万8,000円前後 |
しかし、ここが落とし穴です。月18万2,000円の年金を受け取っていても、個人住民税が非課税になる世帯でも、実際の手取りは13万円前後になることもあります。
手取りが減る理由:
- 社会保険料(健康保険・介護保険など)が自動天引きされる
- 所得税が源泉徴収される(年間158万円以上の年金受給で対象)
- 所得に応じて住民税が加わる(月約7,200円の年世帯も)
結果として、月3万円から5万円の赤字になる家計も少なくありません。年間では36万円〜60万円の不足が生じ、貯蓄を取り崩して生活することになります。
生活保護の実態:受給額はいくら?
生活保護の基本生活費(2026年現在)は、地域により異なります:
| 地域分類 | 地域の例 | 単身高齢者の受給額 |
|---|---|---|
| 1級地 | 東京23区など | 月約12万〜13万円程度 |
| 2級地 | 政令指定都市など | 月約11万〜12万円程度 |
| 3級地 | その他の地域 | 月約10万〜11万円程度 |
加えて加算があります:
- 老齢加算:高齢者向けの生活費上乗せ
- 医療費が別途支給される(現物給付で医療機関に支払われる)
つまり、年金が月6万5,000円で不足している高齢単身世帯は、生活保護を申請することで月5万〜7万円程度の補足が可能になります。
親世代の経済状況を家族で「可視化」する
子どもたち(中年世代)にとって、親の老後資金は他人事ではありません。親が生活保護に頼るまで経済状況を放置すれば、自分たちの世代の家計にも影響します。
いま確認しておきたい3つのポイント
| 確認項目 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 1. 親の収入源 | 基礎年金・厚生年金の月額、退職金額、預貯蓄状況、親が働いている場合の収入 |
| 2. 親の固定費 | 家賃・住宅ローン(返済終了時期)、電気・ガス・水道・通信費、健康保険料・介護保険料、医療費 |
| 3. 親が利用できる制度 | 高額療養費制度、限度額適用認定証、医療費控除、介護保険利用状況、年金生活者支援給付金(月5,000円程度) |
いえのーとを使えば、親の年金額・固定費・貯蓄・利用できる制度をすべて「メモ」に記しておくことができます。年1回の「親の家計見直し日」を「カレンダー」に入れて定期的に親と話し合い、シニア向けの制度を「TODO」で管理して、親が受け取り忘れのないようサポートすることが大切です。
「うちの親はまだ大丈夫」と思っても、人生100年の時代。いまから親の家計を一緒に見守り、小さな「赤字」を見つけて早めに手を打つ習慣が、親世代だけでなく自分たちの世代の人生設計にも大きく響いてくるのです。
