40万円近いスマートフォンは「経費で実質無料」になるのか。家族で決める前に整理したいこと

39万9800円の「iPhone Duo」をめぐって、少額減価償却資産の特例で全額経費にできるという話がSNSで広がりました。弁護士の解説では条件があり、そもそも経費計上は「実質無料」とは違います。税金の話に入る前に家族で決めておくこと、決めた理由をどこに残すかを、いえのーとのノートとカレンダーの使い方とあわせて整理します。

夜のダイニングテーブルで、機器の箱を前にノートと電卓を見ながら話し合う夫婦の様子

「39万9800円」という値段が話題になった

Appleが発表した折りたたみモデル「iPhone Duo」の512GBモデルが39万9800円という価格になり、SNSで税制と結びつけた話題が広がりました。40万円をわずかに下回る値付けが、経費の扱いを意識したものではないか、という見方です。

少額減価償却資産の特例は、青色申告をしている中小企業と個人事業主が対象で、購入した年に全額を経費として計上できる制度。2026年4月1日以降に取得したものは取得価額40万円未満が基準となる(それ以前は30万円未満)。

高橋康夫弁護士は「年間合計300万円までです。たとえば、39万9800円の端末を8台購入した場合、合計319万8400円となります。そのため、すべてについて特例を使って一括で経費にすることはできません」と説明する。また、資産を取得するだけでは足りず、実際に業務で使い始める必要があること、個人名義の端末を仕事とプライベートの両方で使っている場合も、経費にできるのは業務に使った割合に相当する分だけであることを挙げる。

「実質無料」という表現については、「誤解を招くと思います。この制度は、購入費用を『経費』として計上することで、『所得』を減らせるものです」と述べている。

出典:弁護士ドットコムニュース「39万9800円の「iPhone Duo」は全額経費にできるってホント?知らないと危ない3つの注意点」(2026年9月20日)

ここで押さえておきたいのは、経費にできることと、支払いが消えることは別だ という点です。経費計上で減るのは所得であって、手元から出ていく39万9800円そのものではありません。戻ってくるのは、減った所得に税率をかけた分だけです。

しかも、この話が当てはまるのは青色申告をしている事業者に限られます。会社員の家庭には関係がなく、フリーランスや自営業の家庭でも、家族が使うぶんは対象外です。「40万円未満だから大丈夫」という一言だけが独り歩きすると、家計の判断を間違えます。個別の適用については税理士に確認してください。

税金の話は、家族の判断の最後に来る

高額な買い物を検討するとき、税制や割引の話から入ると結論が先に決まってしまいます。実際には、その前に家庭で決めておくことが4つあります。

  1. 何に使うのか(今の端末で何が足りていないのか)
  2. 誰が使うのか(仕事用か、家族と共用か)
  3. いくらまでなら出すのか(月々の支払いではなく総額で)
  4. 今使っている端末をどうするのか(下取り、家族に回す、予備として残す)

3つめの「総額で」が抜けやすいところです。分割の月額だけを見ていると、保証やケース、アクセサリーを足した最終的な金額が見えません。支払いが終わるのが何年後かも、月額表示では実感しにくくなります。

決めた理由を、あとから読み返せる場所に残す

大きな買い物でもめるのは、たいてい買ったあとです。「そんなに高いとは聞いていない」「前に話したはず」というすれ違いは、検討のときの前提がどこにも残っていないことから起きます。

いえのーとの ノート は、予定でもTODOでもない情報の置き場所です。家族の誰でも開けるので、検討中のメモをそのまま共有できます。

  • 買う候補と、それぞれの総額(本体・保証・ケースまで含めた金額)
  • 今の端末の使用年数と、不便に感じている点
  • 買う場合の支払い方法と、支払いが終わる時期
  • 見送る場合、次に検討するのはいつか

最後の項目が効きます。結論が「今回は見送る」でも、次に考える時期まで書いておけば決定になります。 何も残さずに見送ると、同じ話し合いを数か月後にもう一度することになります。

日付が決まっているものは、先にカレンダーへ

高額な買い物には、買ったあとに日付が付いてくるものがいくつもあります。どれも「そのときになったら思い出す」種類のものではありません。

  • 分割の支払いが始まる月と、終わる月
  • 保証サービスの更新日と、解約できる期限
  • 下取りに出す期限
  • 確定申告の期間

いえのーとのカレンダーは家族全員に共有されます。支払いの始まる月を入れておけば、その月に他の大きな出費を重ねずに済みます。保証の更新日を入れておけば、気づかないまま自動更新されることもありません。

事業として使う端末なら、業務で使い始めた日をノートに書いておくのも役に立ちます。あとから思い出して書くものではないからです。

買うか買わないかより、決め方を揃える

40万円近いスマートフォンを買うかどうかは、家庭ごとに答えが違います。ただ、決め方の部分はどの家庭でも同じように整理できます。

総額で比べる、決めた理由と前提を家族が読める場所に残す、日付が決まっているものを先にカレンダーへ置く。この3つをやっておけば、買った場合も見送った場合も、あとで「なぜそうしたのか」をたどれます。税制の話はそのうえで、対象になる家庭だけが確認すればよいものです。

参考・引用元

弁護士ドットコムニュース「39万9800円の「iPhone Duo」は全額経費にできるってホント?知らないと危ない3つの注意点」
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