家野家のれんらくちょう
共働きの夫婦と子ども2人、猫が1匹。学校と園から届くプリントに追われる家野家の一年を、1話完結で描く連載です。

冷蔵庫の横で、プリントが3枚重なっていた夜
集金袋の締切が今日だったと気づいたのは、夜の九時すぎ。冷蔵庫の横のコルクボードには、十一枚の紙が重なっていた。忘れていたわけではない。ただ、その紙のことを知っているのが、この家でわたしひとりだった、というだけの話。

撮ってみた、それだけ
火曜の夜のことが、ずっと引っかかっていた。土曜の朝、コルクボードの紙を全部はがしてテーブルに並べた。十一枚。一枚目を撮ると、AIは日付をひとつ読み違えた。先生が手で直した箇所だった。

6文字だけ送った
去年の運動会、母は一時間早く校門の前に立っていた。電話で伝えた予定が、途中で少しずつ形を変えたからだ。今年は、六文字のコードをLINEで送った。五分後に電話が鳴った。