通院の付き添いに使える休みがある
親が高齢になると、通院の付き添いが増えていきます。大きな病院は平日の午前が中心で、待ち時間を含めると半日がかり。そのたびに有給休暇を使っている人も多いのではないでしょうか。付き添いに使える休暇について、厚生労働省は次のように説明しています。
介護休暇は日常的な介護のニーズにスポット的に対応するための休暇です。介護保険の手続や要介護状態にある対象家族の通院の付き添いなどに対応するために、利用しましょう。
要介護状態にある対象家族を介護する場合、1年に5日(対象家族が2人以上の場合は10日)まで、介護その他の世話を行うために、休暇が取得できます(時間単位の休暇も可)。
出典:厚生労働省「育児・介護休業法 令和6年(2024年)改正内容の解説」
ポイントは2つです。ひとつは 年次有給休暇とは別枠 であること。もうひとつは 時間単位で取れる ことです。「午前中だけ付き添って午後から出社する」といった使い方ができます。さらに2025年4月からは、入社して6か月未満の人を労使協定で対象から外す仕組みがなくなり、転職したばかりの人も請求できるようになりました。
注意したいのは、対象が「要介護状態」の家族だという点です。厚生労働省の基準では、介護保険の要介護2以上か、歩行や食事などの項目で定められた判断基準に当てはまる場合が該当します。また、休暇中の賃金が出るかどうかは勤め先の規則によります。使えるかどうかは、まず勤め先の就業規則で確かめておきましょう。
総務省の就業構造基本調査(2022年)では、家族の介護をしている人は629万人で、そのうち働いている人が365万人でした。仕事と付き添いの両立は、一部の人だけの話ではありません。
付き添いは、近くに住むひとりに偏りやすい
きょうだいがいても、通院の付き添いは親の近くに住む人や、在宅勤務で融通がききやすい人に集中しがちです。遠くに住むきょうだいには通院の様子が見えないため、どれだけの負担になっているかも伝わりません。「手伝えることがあったら言って」と言われても、何を頼めばいいのか分からない、というすれ違いが起きます。
偏りをなくす第一歩は、通院の予定と中身をきょうだい全員が見られるようにすること です。見えていれば、「来月は自分が行く」「予約の電話は自分がする」といった分担を、遠くに住む人からも申し出やすくなります。
きょうだいで決めておく3つのこと
1. 通院の予定と付き添いの担当を、全員が見える場所に置く
いえのーとの カレンダー に親の通院を登録し、予定名に「整形外科(付き添い:姉)」のように担当を入れます。家族として招待したきょうだいは同じ予定を見られるので、担当が決まっていない回があれば誰でも気づけます。
2. 診察の内容を、その日のうちに残す
付き添った人は、帰ってから ノート に次のことを書いておきます。付き添えなかったきょうだいも、親の状態を同じように把握できます。
- 医師から説明されたこと
- 薬の変更と飲み方
- 次回の予約日と、それまでに必要な検査
- 気になった親の様子
病院・診療科・主治医の名前、診察券とお薬手帳の置き場所も、同じノートにまとめておきます。急に付き添うことになった人が、ノートを開けば迷わず動けます。
3. 行けない人は、別の形で担う
遠くに住むきょうだいでも、できることはあります。予約の電話、タクシーの手配、薬局での受け取りの段取り、交通費の負担。こうした作業を TODO に入れて担当を決めれば、付き添う人の負担は当日の移動と診察だけになります。
病院で渡される次回の予約票や検査のお知らせは、AI登録 で撮っておくと予定として登録でき、紙を失くしても日時を確かめられます。
付き添いを「ひとりの仕事」にしないために
親の通院は、数か月で終わるものではありません。介護休暇のように使える制度を知っておくことと、予定と診察の内容をきょうだいで共有しておくこと。この2つがそろえば、付き添いが近くに住むひとりの仕事になるのを防げます。
