一人暮らしの親は、これからも増えていく
実家の親が一人で暮らしている、あるいはいずれ一人になる。そうした家庭は珍しくありません。内閣府が毎年まとめている高齢社会白書の最新版は、次のように伝えています。
65歳以上の一人暮らしの者は男女ともに増加。昭和55年には65歳以上の男女それぞれの人口に占める一人暮らしの者の割合は男性4.3%、女性11.2%であったが、令和2年には男性15.0%、女性22.1%となり、令和32年には男性26.1%、女性29.3%となると見込まれている。
出典:内閣府「令和8年版高齢社会白書(概要版)」(2026年6月12日)
1980年(昭和55年)には男性の23人に1人ほどだった一人暮らしが、2020年には7人に1人ほどになりました。2050年の見込みでは、女性のおよそ3人に1人が一人で暮らします。離れて暮らす親をどう見守るかは、多くの家族にとっていずれ向き合うことになる問題 です。
毎日の電話では、見守りは続かない
見守りと聞くと、毎日電話をかけることを思い浮かべる人も多いでしょう。ただ、仕事や子育ての合間に毎日連絡するのは、続ける側にとって負担です。親の側も、毎日の確認を「監視されているよう」と感じることがあります。
長く続けるには、連絡の頻度を上げるよりも、何かあったときに誰がどう動くかを先に決めておく ほうが効きます。普段は軽く、いざというときは迷わずに。そのための準備を家族で分けておきます。
家族で決めておく4つのこと
1. 連絡の決まりを軽くして、きょうだいで分ける
「水曜の夜は姉、日曜の昼は弟」のように、連絡する曜日と担当を決めておきます。いえのーとの カレンダー に「母に電話(弟)」と入れておけば、誰がいつ連絡したかが家族に共有されます。一人が毎日かけるより、複数の家族が週に1回ずつかけるほうが、親にとっても話す相手が増えます。
2. 実家の「いざというとき」の情報を集める
親が急に体調を崩したとき、離れて暮らす家族が困るのは「何も分からない」ことです。次の情報を ノート にまとめておきます。
- かかりつけの病院と、飲んでいる薬
- 実家の鍵の預け先
- 近所で頼れる人の名前と連絡先
- 地域包括支援センターの連絡先
- 電気・ガス・水道と保険の契約先
地域包括支援センターは、高齢者の暮らしの相談窓口で、親の住む市区町村にあります。まだ介護が必要なくても、連絡先を調べておくだけで、いざというときに相談できる場所がある状態になります。
3. 近くにいる人の輪をつくる
離れて暮らす家族には、すぐに駆けつけられないという限界があります。帰省のときに近所の人へあいさつしておく、親が通っている店やサークルを知っておく。それだけでも、「最近姿を見ない」と気づいてくれる人が増えます。あいさつした人の連絡先は、上のノートに書き足しておきます。
4. 帰省のときに見るところを決めておく
帰省は、暮らしの変化に気づける貴重な機会です。気になるところを TODO にしておけば、帰省した家族が誰でも同じように確かめられます。
- 冷蔵庫に賞味期限切れのものがたまっていないか
- 郵便物や請求書がたまっていないか
- 薬の飲み残しがないか
- 家の中につまずきやすい段差や物がないか
気づいたことはノートに残しておくと、次に帰省するきょうだいが変化を比べられます。通院の付き添いをきょうだいで分ける方法は、親の通院の付き添いは「介護休暇」を時間単位で取れるもあわせてご覧ください。
見守りは、一人の努力ではなく家族の仕組みで
一人暮らしの高齢者は、これからも増えていきます。毎日の電話を一人で続けるのではなく、連絡の担当を分け、いざというときの情報を家族で持ち、近くにいる人ともつながっておく。そうしておけば、親も家族も無理のない距離で見守りを続けられます。
