クマの被害は今年度すでに68人、死亡は6人。昨年は死亡の半数強が10月に、紅葉狩りや登下校で家族が決めておくこと

環境省の速報値では、今年度4〜9月のクマによる被害者は68人、死亡は10月13日時点で6人です。昨年度は死者13人のうち7人が10月に被害に遭っており、冬眠前の秋は特に注意が必要な季節です。紅葉狩りやいも掘り、子どもの登下校、家の周りで、家族で決めておきたいことをまとめました。

紅葉した林の広い遊歩道を、鈴をつけたリュックの父親、男の子、小さな女の子と手をつなぐ母親が、離れずに並んで歩いている様子

冬眠前の10月は、一年でいちばん気をつけたい時期

紅葉狩りやいも掘りなど、家族で山や林に出かける機会が増える季節です。一方で、クマにとっても冬眠に備えて食べ物を探し回る時期にあたります。10月19日の東京新聞の社説は、昨年度の被害を振り返りながらこう書いています。

秋は冬眠に備えてクマの食欲が増し、出没に一層の警戒が必要な季節だ。市街地などで大量出没した昨年度は死亡事故の半数強が10月に集中した。

出典:東京新聞「〈社説〉クマの出没 要注意の秋、油断は禁物」(2026年10月19日)

社説によると、昨年度は全国の死傷者が238人で、亡くなった13人のうち7人が10月に被害に遭っています。今年は東北でドングリの実りが良く、出没が減るという見方もあります。それでも、人里の食べ物を覚えたクマはどう動くか分からず、愛知県では今月、自宅の玄関先で人が襲われています。「今年は少ないらしい」という話を、そのまま安心の材料にはできません。

68人今年度の被害者(4〜9月)環境省の速報値、64件
6人今年度の死亡者10月13日時点
7人昨年度の死亡者のうち、10月に被害に遭った人死亡者は全体で13人
4月
6人
5月
14人
6月
22人
7月
11人
8月
9人
9月
6人

都道府県別では岩手が12人、福島が10人、秋田が8人と東北が多いものの、東京都でも2人が被害に遭っています。普段はクマと縁のない地域に住んでいても、行楽や帰省で出かける先は別です。

場面ごとに、家族で決めておくこと

紅葉狩りや果物狩りに出かけるとき

行き先の市町村や県が出している出没情報を、前日と当日の朝に確かめます。クマの動きが活発になる明け方と日の入り前後は避け、散策道から外れずに、家族が離れないように歩きます。音で人がいることを知らせる鈴やラジオも持ち物に加えます。「出没情報が出ていたら行き先を変える」と前もって決めておく と、当日に子どもががっかりしても迷わずに判断できます。

子どもの登下校や習い事の帰り道

山や川沿いに近い地域では、学校や自治体からの連絡に注意し、一人で帰らせない日や送迎する日を決めておきます。友だちと話しながら歩くこと、クマを見つけたら背中を向けて走らず、静かにその場を離れることも、子どもと一緒に確かめておきましょう。

家の周り

庭の柿や栗を取り残したり、生ごみを外に置いたままにしたりすると、クマを引き寄せる原因になります。実の収穫やごみ出しのタイミングを、家族の誰がいつやるか決めておくと安心です。

いえのーとでの段取り

  • カレンダー:行楽の予定に、行き先の自治体の出没情報ページのURLを貼っておき、前日の夜に家族で確かめる。
  • おでかけ:持ち物に鈴やラジオ、子どもの防犯ブザーを登録し、出発前にチェックする。
  • TODO:「柿を収穫する」「生ごみを外に出しっぱなしにしない」などを担当者つきで登録する。

秋の行楽の持ち物はいも掘りや果物狩りの前に、紅葉の予定の立て方は紅葉の見頃は「平年並みか遅め」の予想もあわせてご覧ください。

楽しい秋を、安全に

秋の山や林は、子どもにとって楽しい発見の場所です。怖がって出かけないのではなく、最新の情報を確かめて、やめる基準を家族で共有しておく。それだけで、当日の判断はずっと楽になります。

参考・引用元

環境省「クマに関する各種情報・取組」
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